掛軸は飛鳥時代に中国から仏教とともに伝わってきたとされています。
鎌倉時代には禅宗の流行とともに水墨画の掛軸も広まっていき、江戸時代には琳派や南画、浮世絵などの絵画が発展すると、掛軸の表具も華やかになっていきました。
その後、日本画や茶掛としても発展してきた掛軸ですが、現在では住宅様式の変化から床の間が減少し、掛軸を飾る方は減ってきています。
しかし、著名作家の作品や中国書画、江戸時代以前の書簡、古筆など、それぞれにコレクターが存在し、まだまだ高価買取させていただける作品も数多くあります。
経年劣化などでボロボロな掛軸でも思わぬ価値があることもありますので、お手元に気になる掛軸がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

掛軸は大まかに絵画と書、絵画と書を同じ画面に構成した画賛にわかれます。稀に書簡や色紙など、もともとは掛軸ではなかったものを観賞用に掛軸にした作品もあります。
素材は紙か絹がほとんどで、どちらが良い悪いというのはありません。

絵画は水墨画に始まり、狩野派や土佐派、南画、仏画など、素朴な作品から華やかな作品まで多くの人々に楽しまれてきました。
東海地方では渡邉崋山や大橋翆石などをお持ちの方が多く、今でも親しまれています。

書や画賛は大徳寺や永平寺などのお寺、茶人や書家、学者や政治家、軍人など、様々な形式の作品があります。
茶人ではお家元の宗匠、政治家・軍人では西郷隆盛や山岡鉄舟、乃木希典などが有名です。この地方では、本居宣長も人気があります。

また近年、中国書画の人気が非常に高まっています。斉白石や呉昌碩、徐悲鴻、范曾などは高価買取となりますが贋作も多く、中国への販売ルートを持っていて目利きのできる店でのご売却をおすすめします。