九谷焼とは、主に石川県南部で制作される絵付けの施された磁器のことを指します。
九谷焼と言えば絵付けと言われるほど絵付けが有名で、大胆な構図と鮮やかな色合いが人気の色絵、繊細な絵付の赤絵、金襴手、細字など古九谷の時代から現代に至るまで、多様な絵付け技法を発展させてきました。
貴重な古九谷をはじめ、再興期の吉田屋窯、現代の人間国宝三代徳田八十吉や吉田美統など、それぞれの時代の名品も多く、美術品需要の減少している昨今でも九谷焼には数多くのファンがいます。
特に再興期以前の作品は希少性も相まって、国内外で高い人気があります。
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九谷焼は少なくとも1655年には存在していたとされ、当時の九谷村で良質な陶石が発見されたことを機に窯を築いたことから九谷焼と呼ばれるようになりました。
しかし初期の九谷焼は僅か50～60年程で閉窯してしまい、この期間に作られた作品を「古九谷」と呼びます。

古九谷の閉窯から約100年後、青木木米の春日山窯の開窯を皮切りに吉田屋窯、宮本屋窯、松山窯など数々の窯が開窯し、九谷焼の再興が始まります。この時代に生まれた九谷焼は「再興九谷」と呼ばれます。
吉田屋窯の赤を使わない青九谷、宮本屋窯の赤絵の赤九谷など、再興九谷は各窯の特色が強いのも特徴です。

再興後の九谷焼は、明治期に須田菁華や九谷庄三など名高い名工を輩出し、輸出産業で美術工芸品としてのブランドを確立していくとともに、現代まで素晴らしい作品を数多く残しています。